コート紙 マットPP加工

　

コート紙という素材は紙の表面がコート剤でコーティングされており、表面がツルツルとして光沢があります。紙本来の凹凸が少なく滑らかになっているため、インクの乗りが良く印刷適性が高いのが特徴です。 写真やイラストなど繊細な色の印刷再現に優れていて、特にフルカラー印刷で本領を発揮します。

コート紙への発色が鮮やかな理由として、紙にインクが浸透せず上にインクが載った状態になっているからです。 印刷してそのままの状態だと少し擦っただけでインクがついてしまうほど色落ちが激しく、実用には向きません。 それを防ぐため、コート紙への印刷の後にはかならず表面加工が必要となります。

仮に表面加工がされていない場合、せっかくの印刷が落ちやすくなってしまいます。 紙袋の用途としては、外で持ち歩く際に使われるため、雨風や砂埃、また持ち歩く際の服や肌との摩擦、他のバッグとの摩擦……など様々な要因により色落ちや色移りの危険性が非常に高いのです。

一方で晒クラフト紙や未晒（茶色）クラフト紙といったクラフト紙類は、表面のコーティングが無くインクが紙に浸透するため、表面加工は必須ではありません。 （ただしベタ印刷やフルカラー印刷など、インクを多く消費する印刷の場合には色落ちや色移りの可能性があるため「ニス引き」が必須となります）

コート紙へ表面加工を施すもうひとつの理由として、強度や品質を高める目的もあります。 コート紙は元々コーティング剤による光沢がありツヤツヤとした上質な紙ですが、表面加工によって一気に製品としての質が上がります。 チラシやフライヤーにも使われることの多いコート紙ですが、紙袋としての用途で素材に求められるのは「丈夫さ」「耐久性」です。 グロスPPやマットPPといった表面加工には、紙の丈夫さを補強する働きもあります。紙の上に透明で薄いラミネートフィルムを貼るため、強度はもちろん耐水性も上がります。 たとえ箔押しのみ（印刷無し）のご注文でも、表面加工は必須となります。

　

コート紙には、元からコーティング剤による光沢がありますが、マットPPはそのツヤを消す効果があるラミネートフィルム加工となります。 グロスPPは輝きを増す加工ですが、マットPP加工は印刷色は若干沈み、落ち着いて上品な印象になります。艶のないマットな質感で手触りも滑らかに仕上げます。

マットPPの場合、紙の地色である白を基調としたベタ無しのワンポイント印刷や、パステルカラーなどの淡色ベタ印刷へのマットPP加工は、やわらかでふんわりとした印象になります。 かわいい・おしゃれなアパレルブランドのショッパーや、ピュアな印象をもたせたいショッパーに人気です。 また、マットPP加工をしたコート紙にメタリックな箔押しロゴを印字することで、落ち着いて上品ながら高級感のある雰囲気になります。

単色とは真逆となる濃色やスミ（黒）ベタのマットPP加工もおしゃれなショッパーとして人気です。 シックで大人っぽいイメージになり、ハイブランドやジュエリー、コスメなど高級品のオリジナルショッパーにおすすめです。こちらも箔押しをすることで、高級ジュエリーのようなしっとりとした高級感が出てきます。

ただし濃色へのマットPPは傷が目立ちやすいため、扱いに注意が必要です。輸送時や納品後の保管時に紙袋どうしの相田で起こる些細な擦れや、使用時に少しでも商品や爪などで引っ掻くと、その跡が傷のように目立ってしまいます。 海外生産の場合、アンチスクラッチマットPPという傷の目立ちにくいマットPPも取り扱っております。品質を保ちたい場合にはぜひご相談ください。