コットンとは?綿との関係は?キャンバスとの違いって?

コットンは、植物である綿(ワタ)の「種子毛」から作られる繊維のことであり、また綿の繊維から作られる糸や布生地の総称です。綿の種子毛は、白くふんわりとしたかわいらしい見た目が特徴的です。白い花のような見た目をしていることから「綿花」とも呼ばれます。
綿とコットンはどちらも同じものを指しており、コットンは綿の英名である”cotton”のカタカナ表記となります。綿は「メン」とも読み、コットン製の衣類やトートバッグのタグに「コットン100%」や「綿100%」と書かれているのを見かけることも多いのではないでしょうか。

コットン生地は植物由来の天然素材であり、肌にやさしい素材として有名です。ウールや絹なども同様に天然素材と呼ばれます。天然素材はお肌にやさしいとして、肌に触れるインナー等に使用されることが多いです。
天然素材の対になる素材として「化学繊維」があります。化学繊維は主原料が石油や人工的な合成を経て作られた繊維で、代表的なものはポリエステルやアクリル、ナイロン等です。
ポリエステル素材について詳しくはこちら↓
【ポリエステルとは?特徴やおすすめの印刷方法のご紹介!】

天然素材は肌への負担が少なく、敏感肌の方を中心に肌着などの衣類に使用されることが多い素材です。天然素材の代表格であるコットン製品も漏れなく衣類に人気の素材ですが、エコバッグ・トートバッグの素材としても非常に人気があります。
天然素材ならではのナチュラルな色や質感が人気で、バッグファクトリーにおいてもトートバッグや保冷バッグとして多くのご発注をいただいています。

「キャンバス」という生地の名前を見かけることがありますが、キャンバス生地とコットン生地は同じものです。厚みのあるコットン生地を「キャンバス(帆布)」とも呼び、生地の密度もしっかりとしていて上質なオリジナルトートバッグが製作可能です。キャンバスは、12オンス以上など厚手のコットン生地を指します。薄手のコットン生地は表面が滑らかで凹凸が少ないですが、厚手のコットンは凹凸があり特徴的な生地のテクスチャがあります。

コットンオリジナルエコバッグ実績一覧はこちら

コットン生地のメリット

日常生活において、コットンを使用することにどんなメリットがあるのかご紹介します。

まず、肌への負担が少ない点です。綿は種子を守るためやわらかい繊維となっているため、肌に触れてもチクチクとした刺激は起こりません。お肌がデリケートな方は合成繊維だと痒くなってしまう、荒れてしまうことがあるため、安心感のあるコットン原料の肌着やパジャマが良いと言われています。
また保湿性や保温性、耐熱性にも優れています。化学繊維に比べて吸水性や通気性がよく、衣服として一年中快適に身につけられるともされています。夏は汗をかいても生地の吸水性と通気性によりサラサラと着心地のよい服になります。コットンの繊維は中心が空洞になっており、そこを風の通り道として非常に通気性がよくなります。
逆に冬は外側にアウターを羽織ることでコットンの保温性により熱が放出されにくく、あたたかさを保つことが可能です。夏は涼しく冬はあたたかいという、素材として季節に万能の素材です。また化学繊維(合成繊維)と比較すると、その吸水性の高さから静電気が起こりにくいという大きなメリットもあります。
次に、耐久性に優れている点も特徴です。リネン(麻)やシルク(絹)など、他の天然素材と比較するとコットン(綿)は水に強いという特徴があります。また耐熱性にも優れているためアイロンがけにも適しています。シワができやすい側面もありますが、高熱のアイロンで軟化したり溶けたりといったリスクが低い点は強いメリットと言えます。
染色がしやすいというのもコットンの特徴で、発色性が高いためカラーバリエーションが豊富です。オリジナルエコバッグ・トートバッグの製作においても、染色したコットンを使用することが可能です。

〈コットンのメリット まとめ〉
・肌にやさしい
・保湿性や保温性に優れている
・吸水性や通気性に優れている
・耐久性に優れている
・耐熱性があり、アイロンにも強い
・染色がしやすく発色が良い
・静電気が起こりにくい

コットン生地のデメリット

多くのメリットを持つコットンですが、扱う上ではデメリットもいくつか存在します。
コットンはメリットとして吸水性が高く、水に強いという特徴がありますが、洗濯をするとシワになりやすく、また縮みやすいというデメリットがあります。シワや縮みの原因としては、洗濯で吸水した分膨張した糸が、乾燥時に元に戻ろうとして縮んでしまうことです。コットン製の衣料品を洗濯する際には、脱水後なるべく早く取り出し、干す前にシワを伸ばすように広げてパンパンとたたくと良いでしょう。
コットンのデメリットポイントは洗濯関連に集中しており、他にも乾きにくいという点が挙げられます。吸水性に優れている分、すぐに水分を蒸発させることができず、乾燥に時間がかかるのが特徴です。とくに湿気が多い時期には、生乾き状態が長く続くことで雑菌の繁殖やカビの発生にもつながってしまいます。そのため、洗濯をしたら風通しの良い場所に干すのがおすすめです。
次に、色落ちや変色の危険についてです。これは染色されたコットン生地に限ることですが、洗濯をする上で染色生地の色落ち、また他の洗濯物への色移りに注意が必要です。染色生地のコットンを洗濯する際は、白いものや色移りの危険があるものとは分けて洗うと良いでしょう。洗濯ネットに入れて洗うのも効果的です。
またコットン100%の素材は生地に伸縮性がない点が挙げられますが、トートバッグやエコバッグとして使用する上ではあまり気になるデメリットではありません。洗濯に関しても、トートバッグや保冷バッグは基本的に洗濯を推奨しておりませんのでご注意ください。

〈コットンのデメリット まとめ〉
・シワになりやすい
・洗濯すると縮みやすい
・乾きにくい
・色落ちや色移りに注意

オーガニックコットンについて

通常のコットンオーガニックコットンの違いは、栽培方法にあります。通常の綿花栽培においては、害虫駆除などのため多くの化学肥料や殺虫剤、除草剤など農薬が使われています。化学肥料や農薬を使用すると土壌や水質への負担が大きく、環境にもあまり優しいとは言えません。
オーガニックコットンとは、そういった問題や安全性に配慮し、無農薬で栽培された綿花のことです。基準は国や土壌の状態によって異なりますが、一定期間以上農薬を使用せず有機肥料や益虫を活用し、自然で安全な方法(有機栽培)で栽培されます。

コットンの生産地は発展途上国に多く、農民たちの多くが苦しい生活を送っているのが現状です。加えて、化学肥料や殺虫剤などの農薬による健康被害も深刻です。
オーガニックコットンの栽培では、環境への配慮だけでなく、そこで労働する人々の安全の確保も考慮されています。化学肥料や農薬を使わずオーガニック農法で栽培することで環境負担をなくすほか、現地で働く人の健康状態も守ることができます。また、オーガニックコットンという生地を名乗るには、それぞれの国で定められた認証機関でいくつかの世界基準をクリアしているかどうか認定を受ける必要があります。その中には児童労働の禁止という基準もあります。コットンの成分を見て農薬の使用率が低いだけでは、オーガニックコットンの基準はクリアできません。農地の環境とともに、そこで労働する人々がしっかりと守られているかという基準をクリアして初めて認証されます。

綿花は害虫に弱いため、通常のコットン栽培では化学肥料や農薬を大量に使うことで栽培に関する手間や栽培期間を減らします。しかしオーガニックコットンの農地では化学肥料や農薬を使用せず、自然な栽培方法で手間ひまかけてじっくりと栽培します。そのためオーガニックコットンの年間生産量は、コットン全体の1%程度とも言われるほど希少性の高い素材です。
土壌や水質への環境負担をなくし、そこで労働する人々の安全や健康も守るオーガニックコットン。通常のコットンよりも価格は高くなりますが、オーガニックコットン製品を購入することで、消費者の立場からもエコな活動や労働者の方への貢献ができるのです。

バッグファクトリーでは、オーガニックコットン製のエコバッグ・トートバッグを扱っております。既製品名入れ印刷のほか、オリジナルのフルオーダー製作も可能となっております。
※既製品への名入れ印刷の方は、在庫が流動的です。タイミングによっては欠品となっている可能性もございますのでご注意ください。
⇒オーガニックコットンバッグ 既製品一覧

コットン生地への印刷について

コットン生地への印刷は、シルク印刷や熱転写フルカラー印刷で行われます。印刷方法の使い分けは、印刷色やデザイン、予算によっても決められます。

■ シルク印刷

 

シルク印刷は「水と空気以外なら印刷できる」と言われるほどあらゆるものへ印刷ができる方法です。布生地のみでなく、金属やガラス、陶磁器、紙にも印刷が可能で、平面ではなく曲面への印刷も可能です。
スクリーンと呼ばれる版に任意のデザインの形をした穴を空け、その穴にインクを擦り付けて直接物体にインクを擦り込みます。元々、スクリーンの素材にシルク(絹)が使われいたことからシルク印刷、シルクスクリーンと呼ばれるようになりました。(現在では絹はほとんど使用されていません)

コットンバッグへの印刷で最もおすすめするのがシルク印刷です。
まず印刷コストが安い点が挙げられます。当社のエコバッグ製作における印刷方法では最も安く製造が可能です。印刷したいロゴや絵柄によってシルク印刷が可能かどうか判断ができます。多色印刷も可能ですが、色の数だけ版代が嵩んでしまうため、コストを重視される方は1色印刷がおすすめです。
そして、くっきりとした印刷ができる点です。シルク印刷はインクを生地に染み込ませず、生地の上にインクを直接塗りつけて乾燥させる方法のため、インクジェット印刷のように輪郭がぼやけてしまうといったことは起こり得ません。
最も適しているのはシンプルなワンポイントロゴの1色印刷です。シルク印刷は、版にデザインの形の穴を空けてインクを直接擦り込むという工程上、あまり細かなデザインは不得意です。細すぎる線や細かいドットはインクを擦り込む際に十分な量が入りづらく、線がかすれたり途切れたりといった印刷不良が起こってしまいます。また抜き幅(インクとインクの間にある空白部分)が小さいと、周りのインクによって空白が潰れてしまう可能性も高くなってしまいます。
耐久性に優れている点も強みです。シルク印刷に使用されるインクは、一般的に耐久性が高いという特徴があります。インクは生地の表面で固まるため、色あせしにくく、簡単に剥がれることもありません。
デメリットとしては、先に挙げた細かなデザインに不向きという点に加え、グラデーションや混色表現ができないという点です。濃淡表現ができないため、常にそのインクの不透明度100%でしか表現ができません。よって混色表現が不可となるため、CMYKの掛け合わせ(プロセスカラー)フルカラー印刷はできません。色指定は黒・白・金・銀以外は特色となります。

シルク印刷オリジナルエコバッグ実績一覧はこちら

■ 熱転写印刷

 

熱転写印刷は、コットンバッグへのフルカラー印刷をする場合に用いられる印刷方法です。
専用のフィルムにデザインと接着剤を印刷し、熱を加えて生地に圧着・転写します。熱を加えて転写する方法であることから熱転写印刷と呼ばれます。シルク印刷では不可能となるフルカラー印刷を可能にする印刷方法です。
コットン生地のほか、ポリエステルや不織布、ナイロンなど幅広い種類の布へ適用可能です。

シルク印刷と同じように、インクが生地に染み込まないため生地色の影響を受けずに好きな色のデザインを印刷できます。黒やネイビーなど濃色の布に対しても問題なく発色するのが特徴です。
フィルムは透明や白などがあり、デザインの周りを縁取るようにカットすることで印刷の雰囲気が変化します。しっかりと印刷サイズの確保されたシンプルなデザインはフチをつけてカットしなくても問題ありませんが、細い線の集合や小さな文字など細かなデザインを印刷する場合には太めに縁取りを加えてカットすることで、印刷面が剥がれてしまう可能性を防ぎます。

熱転写印刷オリジナルエコバッグ実績一覧はこちら

コットン生地を使ったオリジナルエコバッグ

バッグファクトリーでは、コットン・オーガニックコットンを使用したオリジナルエコバッグをフルオーダーで製作可能です。
定番のトートバッグから、人気の保冷バッグ、マルシェバッグ、ポーチ、サコッシュやショルダーバッグなど様々な形状のバッグを作成いたします。フルオーダーなので、サイズの設定や生地色もご自由に選ぶことが可能です。また、既製品への名入れ印刷では印刷範囲が制限されてしまいがちなところ、フルオーダーであれば印刷箇所の制限はほとんどありません。
フルオーダーは海外生産となりますので最低ロットは500枚、納期は通常約60日程度となっております。

また、当社では再生コットン(リサイクルコットン)素材も取り扱っております。当社では、持続可能な未来のため、持続可能な素材を使って地球環境や暮らしを守る活動に取り組んでおります。SDGsやサステナブル、エシカル消費などの言葉を頻繁に目にするようになっていることかと思います。環境への配慮を行動に起こす第一歩としても、エコバッグの使用は効果的と言えるでしょう。

最後に、バッグファクトリーでこれまでに製作したコットン生地のエコバッグをご紹介します。
詳細ページから簡単にお見積もり依頼が可能となっておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

■ コットンバッグ船底型G(シルク印刷)

シルク印刷オリジナルエコバッグ

■ コットン保冷バッグP(シルク印刷)

■ コットン保冷バッグQ(シルク印刷)

シルク印刷オリジナルエコバッグ

コットンバッグ 船底型S(熱転写印刷)

熱転写印刷オリジナルエコバッグ

■ コットンバッグ 船底型H(熱転写印刷)

熱転写印刷オリジナルエコバッグ

■ リサイクルコットンバッグA(シルク印刷)

リサイクルコットンバッグ