エコバッグの印刷方法はどのくらいあるの?選び方は?

エコバッグの印刷方法には、いくつかの種類があります。しかし、注文をするにしても適切な印刷方法がわからない、シルク印刷をしてほしいけれどデザイン的に可能なのか、などなど不安をお持ちのお客様もいるかと思います。
印刷方法は、バッグの素材や印刷デザインなどの仕様によって決まります。たとえば「コットン生地への1色ロゴ印刷であればシルク印刷が安くて綺麗」「ポリエステルの折りたたみエコバッグへ全面フルカラー印刷であれば昇華転写印刷」といったように最適な印刷方法が決まっています。
お見積もりの際、適切な印刷方法がわからなくても大丈夫です。お見積もり内容を拝見し、当社スタッフが最適な印刷方法でお見積させていただきます。印刷するデザインのイメージ画像やPDFがお手元にある場合は、別途お問い合わせメールでお送りいただければより精度の高いお見積もりをさせていただくことが可能です。
このページでは、シルク印刷・昇華転写印刷・熱転写印刷の3種類の印刷方法について特徴やメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。

オリジナルエコバッグの印刷方法①シルク印刷について

 

シルク印刷(シルクプリント)とは、スクリーンと呼ばれる版にインクをつけて印刷する印刷方法です。シルクスクリーン印刷とも呼ばれています。元々、スクリーンの素材はシルク(絹)であったためにシルク印刷と呼ばれるようになりました。現在では絹はほとんど使われておらず、スクリーンの素材はポリエステルやナイロン、テトロン等の繊維樹脂やステンレスが使用されています。

シルク印刷の印刷方法は、穴を空けた版板を印刷したいものに付け、版板の穴にインクを擦りつけて直接インクを刷り込みます。
布・プラスチック・金属・セラミックなどかなり多くの素材面に印刷が可能で、ガラス瓶やアルミ缶、プラスチックコップなどの曲面部分への印刷も可能です。単色印刷が得意ですが、2色や3色など多色刷りも対応可能です。印刷した後はインクを乾かして定着させる必要があるため、比較的時間のかかる印刷方法となっています。
紙への印刷も可能ですが、写真や緻密なイラストなど網の細かい印刷には不向きなので、紙媒体ではあまり使用されません。

シルク印刷オリジナルエコバッグ実績一覧はこちら

■ シルク印刷のメリット
・様々な素材に印刷ができる
「水と空気以外なら印刷できる」とも言われるほど印刷ができるものが多いのがシルク印刷です。バッグファクトリーでは布生地への印刷に使われていますが、紙や金属、陶磁器やガラス、平面のみでなく曲面にも印刷が可能です。

・印刷にかかるコストが安い
シルク印刷は、ひとつの版を作成し、その版を使用して印刷を行うため、印刷物が多いほど1枚にかかるコストが安くなります。バッグファクトリーでは、コストを抑えたいお客様には1色ワンポイントのシルク印刷をおすすめしております。
色数が増えると版も増えるため、コストはアップします。

・くっきりと印刷ができ、耐久性に優れている
シルク印刷はその印刷方法により、一般的な他の印刷方法よりも厚めにインクが乗ります。そのためデザインの縁がくっきりと表現されます。オフセット印刷やインクジェット印刷と違い、解像度が低くて印刷結果がぼやけることはありません。(解像度の低い画像をシルク印刷で表現すると、輪郭がガタついたり歪んだりしたままくっきりと印刷されてしまいます)
また、シルク印刷に使用されるインクは一般的に耐久性が高い特徴があります。インクは布に染み込むことなく、表面で乾燥し固まるため、色あせしにくく、簡単に剥がれることもありません。

■ シルク印刷のデメリット
・細かな印刷に向かない
細い線や小さなドットは、インクがうまく乗らずに掠れたり消えたりする可能性があります。また、抜き幅(インクとインクの間の隙間)が狭いと、隙間がインクで潰れてしまう可能性があります。そのため、小さすぎる文字や複雑なデザインは印刷不良がおこりやすくなってしまいます。推奨する線幅や抜き幅は印刷する生地の凹凸加減によって異なり、例えば目の細かく滑らかなコットン4オンス生地であれば0.5mm程度とより細い線が印刷再現可能で、凹凸が大きい不織布生地の場合は1.0mm程度と太めの線幅が推奨値となっております。
推奨値以下でも印刷自体は可能ですが、その場合は印刷の掠れや途切れ、潰れなどのリスクをご了承の上で印刷でたなり納品となります。

・グラデーション(中間色)、混色の表現ができない
版の穴にインクを擦り付けて印刷媒体に印刷する方法のため、インク量は常に100%です。50%や80%などの不透明度を下げた色調の表現やグラデーションは不可能となります。
同じ理由から混色表現も不可能であり、CMYKの混色であるフルカラー印刷はできません。

・ベタ印刷には向かない
ベタの範囲が大きいと、場所によってはインク量が厚かったり薄かったりとムラが発生する可能性が高くなります。また、生地の凹凸の影響でスポット的にインクが乗らない部分がでてしまう可能性も個体によって存在するため注意が必要です。

シルク印刷のオリジナルエコバッグ実績紹介

■ コットンバッグ船底型G

シルク印刷オリジナルエコバッグ

■ タイベック保冷バッグO

■ リサイクルポリエステルE

シルク印刷オリジナルエコバッグ

オリジナルエコバッグの印刷方法②昇華転写印刷について

 

ポリエステル生地にフルカラーで印刷をする場合に使われるのが昇華転写です。
昇華インクを使用して専用の転写シートへ印刷し、熱を加えてポリエステル生地に密着、気化させてインクを染み込ませ、シートからデザインを転写するのが印刷方法です。シルク印刷は生地にインクを乗せる方法ですが、昇華転写は生地にインクを染み込ませるため、インクが乗ったような質感がなく、元から生地がその色であったかのような自然な仕上がりとなります。
昇華インクはポリエステル等の化学繊維に反応するため、天然素材であるコットン生地などへの印刷はできません。ポリエステル100%の白生地のみ印刷が可能です。もちろん、リサイクル素材であるR-PET・再生PET素材にも昇華転写印刷可能です。
またシルク印刷との違いとしてフルカラー印刷が得意である点です。グラデーション表現や中間色表現も自由自在に印刷可能で、バッグ全体に印刷を入れる総柄印刷も可能です。非常に幅広いデザインのオリジナルエコバッグ製作が可能となります。

バッグファクトリーでは、ポリエステル製の折りたたみエコバッグへのフルカラー昇華転写印刷が特に人気です。白のポリエステル生地全体に総柄でフルカラー印刷をすることにより、任意の柄や色に変えることが出来ます。
おしゃれなデザインやスタイリッシュなデザインなど、印刷内容によって雰囲気は180°変わり、ブランドやショップのオリジナリティの強いオリジナルエコバッグが作成可能となります。
レジ袋有料化により、エコバッグ・マイバッグの使用が増えているため、様々な企業やブランドでオリジナルエコバッグの製作が実施されています。スーパーの記念品やノベルティ、ファッション雑誌の付録、雑貨屋や100均等のショップでの販売用など、目にする機会は増え続けています。

昇華転写印刷オリジナルエコバッグ実績一覧はこちら

■ 昇華転写印刷のメリット
・インクの発色が良い
昇華転写印刷の特徴として、まず発色の良さがあります。フルカラー印刷が可能であり、鮮やかな色でもしっかりと発色します。写真や緻密なイラスト、繊細なグラデーション表現等も可能で、バッグ全体に鮮やかなフルカラー印刷をすることが可能です。
ポリエステルの折りたたみエコバッグはフルカラー総柄印刷が非常に人気が高くなっております。

・素材の質感をそのままに印刷が可能
インクを生地に染み込ませる印刷方法なので、インクのひび割れが起こらず生地そのものの素材感や質感、風合いを残しながらも印刷が可能です。
デザインが張り付いたようにならず、生地を染色したかのような自然で美しい仕上がりになるのが特徴です。

■ 昇華転写印刷のデメリット
・ポリエステル素材にのみ印刷が可能
コットン生地や絹をはじめとした天然素材の他、ナイロン生地にも印刷はできません。印刷ができたとしても、色が十分に定着しない状態となります。昇華転写印刷は自然で美しいプリントが可能ですが、素材が限られてしまうところが残念な点です。

・濃色の生地への印刷が不得意
黒やネイビーなど、濃色の生地の場合は、印刷しても思うように発色しません。インクが生地に吸収されてしまうため、生地色の濃さにインクの色が負けてしまいます。濃色生地への印刷はシルク印刷をおすすめいたします。シルク印刷は生地にインクを染み込ませず、生地の表面にインクを乗せて乾かすため、生地色の影響を受けずに印刷が可能です。
昇華転写印刷の場合は、ポリエステルの白生地が最適です。

昇華転写印刷のオリジナルエコバッグ実績紹介

■ フルカラー総柄 折りたたみエコバッグJ

昇華転写印刷オリジナルエコバッグ

■ リサイクルポリエステルD

オリジナルエコバッグの印刷方法③熱転写について

 

熱転写とは、専用のフィルムにデザインと接着剤を印刷し、熱を加えて生地に圧着し転写する印刷方法です。
シルク印刷のように、インクが生地に染み込まず表面に印刷面が乗るような形で印刷されるため、素材の色の影響を受けずに印刷色の発色が可能です。
コットンやポリエステル、不織布など様々な布製品にフルカラー印刷が可能です。小ロットでも比較的安く製作が可能ですが、版が必要ないため大ロットになってもコストが安くなりにくいです。
コットンや不織布へのワンポイント印刷に人気で、コットンバッグへのフルカラー印刷、不織布へのフルカラー印刷に使用されます。トートバッグの他、保冷バッグやポーチなど様々なオリジナルバッグへのフルカラー印刷が出来ます。

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■ 熱転写印刷のメリット
・様々な生地への印刷が可能
昇華転写印刷がポリエステル生地に限定されてしまう一方で、熱転写印刷はポリエステルはもちろん、コットン、不織布、ナイロンなど幅広く布生地への印刷にも対応しています。
また、インクが生地に染み込まないため黒や濃色カラーの生地に対しても問題なく発色します。

・シルク印刷や昇華転写印刷にはできないことが出来る
シルク印刷は生地色の影響を受けずに印刷は出来るけれどフルカラー印刷は出来ません。昇華転写印刷はフルカラー印刷は出来るけれどポリエステル以外への印刷や濃色生地への印刷ができません。そんなシルク印刷と昇華転写印刷のデメリットを補うような特性をもっているのが熱転写印刷です。昇華転写印刷のように全面への印刷はできませんが、生地色への影響を受けずにフルカラー印刷が可能であるのが強みです。
※CMYKの4色インクを掛け合わせて印刷することから、金や銀、蛍光色といった特殊カラーは再現できません。

■ 熱転写印刷のデメリット
・印刷デザインを貼り付けたような雰囲気
熱転写印刷は、インクを布生地に染み込ませず生地の上にインクを転写する印刷方法なので、印刷部分が明確に「生地の上に乗っている」質感となります。印刷箇所は本来の素材の風合いは失われ、貼り付けられた熱転写印刷のシート特有の質感となります。また、印刷箇所の通気性は悪いため、ファッションアイテムに使用する際には用途によっては注意が必要です。

・細かいデザインは剥がれてしまう可能性がある
ワッペンのようにしっかりと印刷サイズの確保されたデザインは問題ありませんが、印刷範囲が小さい場合や細かなデザインを印刷する場合には注意が必要です。細かなデザインは転写シートを細かくカットする必要があり、シートが小さい、細い場合には少しの刺激で剥がれてしまう危険があるためです。
そのため、熱転写で細かなデザインを印刷する場合にはシートをデザインギリギリでカットするのではなく、太く縁取りをすることで剥がれる可能性を防ぎます。デザインに縁をつけて印刷する場合、シートの色によって雰囲気は変わります。

熱転写印刷のオリジナルエコバッグ実績紹介

■ コットンバッグ 船底型S

熱転写印刷オリジナルエコバッグ

■ コットンバッグ 船底型H

熱転写印刷オリジナルエコバッグ